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DAIMON STAFF

KAMについて

更新日:2021年7月18日

こんにちは


大門綜合会計事務所スタッフです。


毎週金曜日、会計・財務、税務、監査、内部統制関連のTips等をお伝えしています。


62回目の今回は2021年3月期から適用されて

いるKAMについてお伝えします。



「KAM」と聞いて「だいたいわかってるよ」

という方は上場会社の経理部門におられる方

か、監査法人におられる方でしょう。


一般的にはあまり知られていないかと思いま

す。


KAMとは・・・・



Key Audit Mattersの略で日本語では「監査

上の主要な検討事項」を意味し、監査報告書

に記載されるものです。



そもそも、


・監査報告書って何?


・監査報告書を見たことがない


という方もいらっしゃると思います。



監査報告書は公認会計士や監査法人が会計監

査を行った結果として、


監査した会社の財務諸表についての意見を記

載した報告書なのですが、


「報告書」という名前がついている割には紙

ぺら1~2枚のもので、良く言えば「シンプ

ル」


悪く言えば「内容のない」ものになります。



監査報告書の文例は公認会計士協会のHPに掲

示されており、どの監査法人でも個人会計士

でもさほど違いはありません。


<日本公認会計士協会の監査報告書の文例>



上場企業が公表する有報の最後に添付されて

いますので、そちらを見比べるとどの会社も

同じような監査報告書だとわかります。




上述したように、これまでの監査報告書はシ

ンプル過ぎて、投資家からするとあまり有用

なものではありませんでした。


書いてある内容は以下の項目のみです


①監査意見(財務諸表が適正か否か)


②監査意見の根拠


③監査人の責任


④利害関係の有無



投資家にとっては、①の監査意見が適正意見

であれば、監査した財務諸表の数値は信頼し

て良いという物なのですが、


意見の部分には「適正に表示しているものと

認める」と記載があるのみなのです。


そのため、監査報告書は「報告書」というよ

りも「意見書」と言った方がしっくりくるも

のとなっており、


監査人が財務諸表のどういう所を見て、どん

な検討をした結果、「適正」という意見を表

明したかが全くわからないのです。



例えば、会社に重要な減損損失の発生の可能

性のある工場設備があったとしても、


検討の結果、減損損失を計上しなくても良い、

と言う結論になった場合には、監査報告書に

おいて


「適正」


の一言で終わってしまうわけです。



これでは、あまりに情報が少なく、監査報告

書の情報価値や監査の信頼性を低下させる恐

れがあるという声が増えてきました。


そこで、KAM(監査上の主要な検討事項)と

して以下の項目が記載されることになったの

です。


・監査上の主要な検討事項の内容


・監査人が監査上の主要な検討事項であると

決定した理由


・監査における監査人の対応




この3月期決算から新たに監査報告書に上記

の項目が追加されることになります。


是非、各社の有価証券報告書が発行されたら

最終ページに添付されている監査報告書を見

てみて下さい。


監査人がどんなところに注目して、どんな検

討を行ったのかが、見えてくるはずです。





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