こんにちは
大門綜合会計事務所スタッフです。
毎週金曜日、会計・財務、税務、監査、内部統制関連のTips等をお伝えしています。
38回目の今回は税務研究協会の経営財務に以
下のような記事があったのでご紹介します。
<海外会計トピックス 企業が行う不正会計手口10種>
経営財務 No.3471
(リンク先は会員の方のみ閲覧可能)
元のサイトはこちらですね
<Top 10 ways companies cook the books>
accountingtoday August 18, 2020
要約すると・・・、
・経済環境が悪化してくると,事業計画との
関係で経営者は大きなプレッシャーを感じる
ようになる。
・不正会計(粉飾決算)の誘惑に耐えきれ
なくなる経営者もいるため、投資家は十分な
注意が必要となる。
・SEC(証券取引委員会)は, 2012年から内
部通報制度を設置し, 5億ドル(約525億
円)を超える報償金の支払いが行われている。
・この制度と関連し, 企業の不正会計につ
いての報告書を出している。
その報告書での,不正会計の手ロトップ10は
次のとおりだそうです。
①収益計上時期が不適切
②架空売上
③押し込み販売(預かり在庫)
④第三者間取引
⑤経営者による不正な見積り
⑥費用計上すべきものを資産計上する
⑦資産計上以外の方法で費用の不適切な処理
⑧見積や予測の不適切な設置
⑨非GAAP報告によるミスリード
⑩不十分な財務報告に係る内部統制
以前のメルマガで、不正のトライアングルに
ついて、お話しました。
その中では不正は「動機」、「機会」、「姿
勢・正当化」の3つの要素により起こるもの
であり、
これらの3要素が発生しないように企業の環
境や内部統制を整える必要があるとお話しま
した。
上記のTop10を見てみると、ほとんどが3要素
がそろった場合には実行可能な不正となりま
す。
例えば、営業成績を上げたい営業マンは機会
と姿勢があれば①~④の不正を行う可能性が
高くなります。
また、管理状況を良く見せたい経理・財務担
当者は⑥~⑦の不正を行う動機があると言え
ます。
では、⑤、⑧~⑩はどうでしょう?
これらは、従業員が行うものではなく、経営
者が主導して行われることが多い不正と言え
ます。
所謂、経営者不正と言われるもので、従業員
不正と比較すると、金額も影響も大きいもの
になりがちです。
会社の経営者は従業員不正が行らないように、
不正の3要素を抑えたうえで、内部統制を構
築する必要がありますが、
経営者不正は内部統制で防ぐことは出来ませ
んし、影響は従業員不正より非常に大きくな
るのです。
もし、株式投資等で企業に投資をしている場
合には、従業員不正よりも経営者不正を意識
して投資先をモニタリングする必要があるで
しょう。
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