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DAIMON STAFF

No.49(2021/12/25):役員による社用車の私的利用と関連当事者取引

更新日:2022年12月16日

こんにちは


大門綜合会計事務所スタッフです。

毎週金曜日、会計・財務、税務、監査、内部統制関連の基礎・Tips等をお伝えしています。

(大門綜合会計事務所への会計監査等のご依頼・料金相場・価格表等はこちらから)


今回が今年最後のコラムとなります。


49回目の今回も、前々回までお伝えした会計

監査を受けている上場会社と受けていない非

上場会社との、


会計監査の視点からの相違のうち、「関連当

事者取引」について、簡単にお伝えしていこ

うと思います。




既にお伝えした通り、日本公認会計士協会の

Webサイトに以下のような案内が公表されま

した。


<株式新規上場(IPO)のための事前準備ガイドブック「会計監査を受ける前に準備しておきたいポイント」公表のご案内>


こちらはシンプルなものですが、IPOでは避

けて通れない、会計監査を受けるにあたって

の必須事項が簡潔にまとめられています。


この中にある「会計監査を受けようとしたと

きの事前準備のポイントと例示」には以下の

ような内容があるという点をお伝えしました

(ガイドブックの9ページ以降)。


1 会計データ・裏付け証憑の整理

2 発生主義会計及び収益認識会計基準への

対応

3 棚卸資産管理

4 原価計算体制

5 資産・負債の管理

6 連結決算

7 関連当事者取引の把握・整理

8 内部管理体制の構築

9 労務管理

10 情報システムの内部統制

11 不正への対応

12 会計上の見積り

13 会計基準の選択



今回はこの中の7番目の関連当事者取引の把

握・整理についてお伝えします。




「関連当事者取引の把握・整理」と聞いて、

どんなことかをイメージ出来る方はあまり多

くないかと思います。


そもそも、「関連当事者取引って何?」と思

われた方もいらっしゃるでしょう。



関連当事者取引とは、簡単にご説明すると、


資本関係があるか否かを問わず、その会社が

影響力を与えることが出来る別会社や個人と

の取引の事を言います。



<関連当事者>

日本会計士協会



過去に以下のような事例があり、上場審査に

おいて申請が取り下げられました。



・とある会社の社長の個人保有のクルーザー

や高級外車の維持費、及び居宅利用代金合計

約1億1000万円を会社の資金から拠出


・数名の取締役(関連当事者に該当)の転居

代金など合計約13百万円を会社が負担


・社長とその親族が一定数の株式を持つ企業

(親族企業)と取引する際に、親族企業が負

担すべき費用18百万円弱を会社が負担




これらの取引がなぜいけないのでしょうか。



そもそも、上場会社は株主から資金を拠出し

てもらい、その資金で会社を経営しています。


非上場のオーナー会社であれば、株主である

オーナーが自己資金を拠出しているため、問

題は無いかもしれませんが、


上場会社において、多くの株主が拠出した資

金を社長個人のために使っていた場合には、

株主は不利益を被ることとなります。



このように、関連当事者との取引は、


取引条件に恣意性が介入しやすく、ひいては

会社の業績を左右したり、株主が不利益を被

るおそれがあることから、


会計監査を受ける会社においては、注記の対

象となっており、


当該関連当事者取引の取引条件が一般的であ

るかどうか(市場取引と同様かどうか)を監

査法人が監査します。


そのため、IPOを目指す会社は役員や親会社

等の関連当事者との取引の有無を全て洗い出

し、その必要性の検討を行います。




IPOを目指す会社はそのような関連当事者と

の取引を原則として解消する必要があり、


事業上の必要性からやむを得ず取引を継続せ

ざるを得ない場合には、


独立第三者間での取引条件と同等なものへと

変更した上で、決算書の注記で開示する必要

があるのです。



以上、今年最後の回でした。


今年一年、お読み頂きましてありがとうござ

いました。皆さまにおかれましては、どうぞ

よいお年をお迎えください。


(大門綜合会計事務所への会計監査等のご依頼・料金相場・価格表等はこちらから)



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